失語症とは?
失語症とは
失語症とは <文責:水輪の会 満田>
大脳の中の、言葉を使ったり理解したりしている部分(言語野)が、脳卒中や脳腫瘍などの病気や、事故などによる頭部外傷によって、損傷(ダメージ)を受けてしまった結果、それまで自由に使っていた言葉が思うように使えなくなってしまう障害です。
症状は人によってさまざまで、障害の程度にも差がありますが、おおまかに以下のような機能が障害されます。
<イラスト:久力健志> 久力周子編「脳卒中に伴うことばの障害を持つ患者さんとご家族へ」より抜粋
(※以下のイラストも同じ)
失語症になると、どうなる?
具体的な症状としては、次のようなものがあります。
●伝えることが困難になる
・言葉が思い出せない。
・ある語を、別の語と取り違えて使う。
・まわりくどい表現になる。
・音をつっかえたり、間違えたりする。
・書くことが難しくなる。(名前や住所が書けない、ひらがなや漢字が書けない、長い文章が書けない)
●言葉を理解することが困難になる。
・言葉の意味がわからない。
・聞き取れる速さや量に限界がある。
・話の内容を覚えられない。
・読んで理解することができない。(ひらがなや漢字が読めない、新聞・雑誌がわからない、説明書などがわからない)
●その他の症状(人による)
・右側が見えにくい。
・計算ができない。
・考えがまとまらない。
・集中ができない、続かない。
・感情のコントロールがうまくいかない。
・やる気がでない。
・複数のことに注意が向けられない。
失語症の当事者の方は、障害の軽重にかかわらず、コミュニケーションをとる時には上記のような症状でとても辛く苦しい経験を重ねています。
失語症を説明する上で、よく例えられるのが「自分が突然言葉を知らない外国に放り出されたら」というものです。
少し、想像してみてください。
自分が、突然、異国の地に放り出されたら・・・
何とか自分の意思を伝えようと、片言の単語や身ぶり(ジェスチュア)を駆使して、必死に努力をなさることでしょう。
あるいは、自分の気持ちも伝えられず相手の言うこともわからず、意思疎通が充分できないのですからコミュニケーションをしようという意欲そのものが徐々に失われていくかもしれません。
その状況が、失語症の当事者の方には、今まで母語としてきた日本語で、起こっているのです。
コミュニケーションをとる際のコツ
上記のような症状がありますので、失語症の方々とコミュニケーションをとる際には
相手側でいくつか配慮していただけると、お互いに意思疎通がしやすくなります。
・ことばはうまく言えませんが、本人の人格や気質は病前と何ら変わりありません。病気をしてもその人の風格とプライドは保たれているものです。子ども扱いは厳につつしんで下さい。
・話を聞く時は、普通の人の5倍は待ってください。
・言いたそうな語句がどうしても出てこない時は、推測できるいくつかの候補をあげて、助け船を出してあげてください。
・話し言葉にとらわれず、身ぶりやジェスチュア、実物や写真を使ったり、文字で図示や筆談をしたりと、さまざまな手段を使ってみましょう。
・話しかける時は、ゆっくり、短い語句で、ポイントになる単語だけを言うようにします。
・一般に失語症の方はひらがなが苦手で漢字の方が理解しやすいので、ひらがな50音表などを指し示すことは避け、漢字で単語を書いて見せましょう。
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